
ワインは、古代エジプトでは、鎮痛や便秘、腸や肝臓の病気に良いとされ、基本の薬として処方されていたそうです。
そういわれると納得ですよね。確かにワインは身体に良いイメージがあります!
ただし、いくら健康面で良いとされていても飲み過ぎは禁物です。1日1杯ほどのワインを飲むのが良いそうですよ!
ということで、今回は1日1杯のワインで期待される8つの健康効果についてご紹介させていただきます。
1日1杯のワイン
ワインにはポリフェノールを筆頭にビタミンやミネラクなど多くの成分が含まれていることで知られています。
その他にも様々な健康効果があるようですが、もちろん飲みすぎは禁物です。
そこで、「1日1杯」のワイン。
”1日1杯のワイン”で期待される健康のための”8つの効果”が海外サイトに掲載されていましたのでご紹介します!
1.1杯の赤ワイン=1時間分のエクササイズ
赤ワインを飲むだけで運動効果がアップ!?
2011年に発表されたアルバータ大学の研究結果をもとにした記事が掲載されました。
同大学の発表によれば、赤ワインに含まれているポリフェノールの一種「レスベラトロール」によって、1時間ジムで運動した後と同じ効果を得られると示しています。
心臓機能や筋肉を強化し、運動パフォーマンスを上げるとのことです。飲むだけで運動効果が得られるの?と聞かれれば、その答えは”NO”かもしれません。
研究をリードしたジェイソン・ディック博士はこうコメントしています。
「レスベラトロールを摂取すれば、体の不自由な人々でもその僅かな運動の効果を向上させられるかもしれません」
この成分には、筋力の衰えを防止するような効果があるそうです。残念なことに、ワインを飲む=エクササイズということにはなりません。
しかし、オレゴン州立大学、フロリダ大学、ネブラスカ大学の共同研究でも、内臓脂肪の燃焼を助ける効果が実験によって確認されています。
2.フラボノイドが口臭を予防
ポリフェノールは色素でできている「フラボノイド系」と色素以外の「フラボノイド酸系」と大きく2種類に分類されます。
ポリフェノールの約90%はフラボノイド系に属し、ポリフェノールの中でも特に重要な色素成分類です。
フラボノイドの成分は、植物由来の成分で、アントシアニンやカテキン、イソフラボンは、すべてフラボノイドに分類できます。
フラボノイドというのは天然に存在する有機化合物群で、植物によく含まれる色素、苦味、辛味成分です。
植物は紫外線や害虫などから身を守るためにフラボノイドを生成し、強力な抗酸化作用を生み出します。
そのためフラボノイドは口腔内においても細菌を取り除き口臭を消失してくれるというわけです。
フラボノイドを口臭成分であるVSC(揮発性硫黄化合物)のメチルメルカプタンの中に一定量を投入する実験をしたところ、20分間で85%の臭いが消えるそうです。
3.白ワインがアレルギー症状を緩和する!?
ワインは葡萄を発酵させて造ります。
製造過程で酵母菌や雑菌などを濾過して除去しますが、ごく少量は残ります。そのため、瓶内で再び発酵したり、雑菌が繁殖してしまう可能性があります。それを防ぐため、酸化防止剤である亜硫酸塩が添加されます。
ワインは世界中に輸出入されており、その間、気温などがどんな条件下に晒されるか分かりません。どんな状況下でも、ある程度品質を守るためにも酸化防止剤は添加されています。
品質を守るための酸化防止剤は「ごく少量の摂取なら人体に影響はない」と言われています。
しかし、中にはアレルギー反応を起こす人もいます。亜硫酸塩を摂取すると頭痛や、喘息(ぜんそく)の反応を起こす人もいるのです。
白ワインは、赤ワインがやたらと注目されるせいか、あまり話題にされることはありません。しかし、白ワインにはアレルギーを緩和する作用があります。
甘くないソーヴィニヨン・ブランに、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬と同じような効果があると言われています。
白ワインでアレルギーが緩和できるのです。花粉症の方は白ワインが役立つのかもしれません。
4.心臓病の予防にも役立つ!?
脂肪分を多く摂取すると血液中に悪玉コレステロールと呼ばれるLDLが増え、これが酸化するとコレステロールを血管壁に付着させてしまいます。
ところが、赤ワインに含まれるポリフェノールがLDLの酸化を防ぐことで動脈硬化が進まないことが明らかになったのです。
数あるポリフェノールの中でも、「レスベラトロール」が主役を演じていることも判明しました。
フランスの赤ワインとドイツワインについての比較実験では、フランスのブルゴーニュやボルドーの赤ワインはドイツワインに比べて2倍程度の「レスベラトロール」が含まれていることがドイツの研究者が突き止めています。
果皮の含まれない白ワインの方は、飲み口は爽やかですが、これらの効果はあまり期待出来ないということになります。
5.善玉コレステロールのレベルを高める
全てのコレステロールが悪いわけではありません。
LDL(悪玉)コレステロールを体内から回収してくれるHDL(善玉)コレステロールもいますし、LDLコレステロールでも、活性酸素と結びついて酸化したLDLが問題となります。
活性酸素は体に通常は外部からの菌から守ってくれる働きもあるので適度に必要となります。ですが、コレステロールと一緒になり酸化LDLとなると血管内に入り込んでいきます。
白血球の仲間が血管に入り込んだ酸化LDLを処理するのですが、酸化LDLが多いと大量に処理をして死滅してしまいます。
死滅したものがそのまま血管の壁の中に残り、動脈硬化が出来てしまうのです。このように酸化したLDLコレステロールには注意です。
被験者に一定量のウォッカを飲ませた時期と赤ワインを飲ませた時期での比較で、早期空腹時のLDLの酸化時間を比較したところ、赤ワインを飲ませた時期の方が10%コレステロールの酸化の時間が伸びた事がわかっています。
動脈硬化の予防にもつながる期待もできます。
6.記憶力の向上に役立つ!?
赤ワインに含まれる「レスベラトロール」が脳を刺激し、記憶に関係する神経細胞を増やす働きのあることを日本の大学の研究グループが突き止めたという報道がありました。
認知症の予防にも赤ワインの効果があることは、すでにフランスのボルドー大の研究で判明しており、高齢者の追跡調査で赤ワインを毎日グラス3〜4杯ずつ飲み続けた人は全く飲まない人に対してアルツハイマー病の発症率が4ぶんの1だったという報告です。
これらの研究では赤ワインに含まれる「レスベラトロール」に着目し、マウスに赤ワインを3週間飲ませ続けての結果ということです。
脳ドックなどで脳機能を検出するFDG-PET(陽電子放出断層撮影法)検査を行いますと、認知症では後側頭葉の海馬付近のブドウ糖摂取率が低下していることが分かっており、脳内で比較的新しい記憶をとどめる役割のある「海馬」の神経細胞が、ワインを飲ませなかったマウスに比べて2倍に増え、迷路を脱出させる訓練も半分の時間でゴールに達したということです。
7.感染症リスクを下げたり、食中毒を予防
ミザリー・コロンビア大のムスタパ博士を中心としたチームは、赤ワインが腸内乳酸菌にどんな影響を与え、また病気を誘発する細菌を予防する効果があるかについて研究をしました。
研究の結果、赤ワイン、特にカベルネットフランス、メルロット、ジンファンデルが、乳酸菌等の体に役立つ細菌には害にならず、病気を起こす食中毒誘発菌から人体を保護することがわかりました。
今回の研究で大膓菌、サルモネラ、リステリア、ヘリコバクター・ピロリ菌などが研究された中で、特に食品や水で伝染し胃潰瘍をよく起こすヘリコバクター・ピロリ菌について、赤ワインが特に防御効果があることが分かりました。
研究チームは赤ワインのエチルアルコール、pH、そしてワインの赤色を出すポリフェノールの一種であるリスベラールが食中毒を予防できると述べました。
また、赤ワインより酸味が強い白ワインには、その酸味に驚くべき働きがあります。
白ワインの酸味は有機酸(果実や野菜によって作られる天然の酸のこと)によるもので、この有機酸が腸のコンディションに大きく作用します。
この有機酸は、腸内のバランスを整え、善玉菌が優位な状態に導いてくれることで、便秘や下痢を予防します。
さらには、今急増中の大腸がんの予防にも、ひと役かってくれるでしょう。
さらに、アルコールとの相乗効果により、優れた殺菌作用も発揮してくれるので食中毒の予防になります。
8.骨密度が高くなる傾向
オーストラリアの研究によると、赤ワインは高齢男性の骨をより丈夫に保つのに効果があるそうです。
50〜80歳の人々を対象に行われたこの研究では、骨密度と赤ワイン消費の関連性が明らかとなりました。
また、米国内分泌学会は、赤ワインなどに含まれる天然化合物レスベラトロールが、メタボリック症候群男性の骨密度を増やし、骨粗鬆症治療薬としての可能性を明らかにしたデンマークの研究を紹介しました。
レスベラトロールはポリフェノールの一種です。抗炎症作用があり、マウスやラットでは骨量減少を抑えることが示されています。
研究者は「わずか4カ月で骨密度が有意に改善し、BAP値も上昇したのは、レスベラトロールが体内の造骨細胞を刺激していることを示唆する有望な結果です。骨粗鬆症高リスク集団にも長期治療による骨保護作用が見られるかどうかは、さらに研究が必要」と述べています。
ワインの効果がすばらしい! ただし、適量が大切です
ワインの適量は1日100ml〜360mlです。この分量を食事と一緒に飲むことが大切です。毎日飲むのが一番良いそうです。
1日に飲む適量はアルコール総量で10g〜30g、ワインであれば100ml〜360mlの分量ならアルコール中毒にはなりません。
なぜなら、人間の身体は1時間に7gのアルコールを完全に代謝できるからだそうです。
30gのアルコールを摂取したとすれば4時間ちょっとで完全にアルコールは身体から抜けます。
画像:wikihow